国試対策①模試についての私見

こんばんは。

117回国試からはや2週間が経ちましたね。

国試が終わってから環境が一変してしまったので、体感的にはもう半年ぐらい経ったような感じです。

国試1年前には、自分が1年後に国試を受けるなんて想像も出来ませんでしたが、あっという間に年月が過ぎ、4月から研修医だと思うと実感が湧きません。

 

さて、今回から何回かに分けて、国試対策についての記事を書こうかなと思っています。

まず最初に、模試についてお話しさせていただきます。

私見がかなり入っており、客観的な見解ではありませんので、参考程度に読んで下さい。

 

5年生模試

まず、5年生模試についてですが、メック、テコム、メディックメディアの3社すべてで存在します。

5年生模試は一種の「国試模擬体験」で、問題数が少なく価格も安いので、勉強計画を立てるために1つぐらい受験しておいたほうがいいんじゃないか~レベルです。

 

「ただでさえ難関入試を突破してきた医学生たちが相手なのだから、成績逆転は無理だ」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、5年生時点での成績なんて、まだろくに受験勉強も始めていないのであまり参考にならないと思います。

 

正直、どういう勉強計画で今どの時点なのか、が人によって違い過ぎるため、偏差値はそこまで重要ではありません。

とはいえ、勉強がはかどっていない人にとっては、「今の成績のヤバさ」を早めから自覚できる材料にもなりますので、今の自分の立ち位置を知るという意味で、どちらかというと受けるべきだと個人的には思います。

 

6年生の模試

117回国試受験生向けの模試は、

  • メック
    • 春メック(5年時3月~6年時5月)
    • 夏メック(7~9月)
    • 冬メック(12月)
  • テコム
    • 第1回(7月)
    • 第2回(9月)
    • 第3回(11月)
    • 第4回(1月)
  • メディックメディア
    • 夏模試(7月)
    • 冬模試(12月)
    • 直前模試(1月)

でした。

 

どの模試を受けるべき?

今振り返ってみて、どの模試だけ受けておけばよかったのか?ですが、要は「どんな理由で模試を受けるか」が一番大事になってきます。

 

私の場合、模試代にあまりお金を使いたくなかったため、各シーズンで1つずつ受けるだけにしようと決めていましたが、他にも、こまめに学力チェックしたいから沢山受けたい人や、勉強の負担になりたくないので最小限でいい人など、いろんな理由で受ける模試を考える必要があります。

 

模試の受験料

昨年度の模試の受験料は以下の通り。(大体の金額です)

  • メック:春メック4500円ぐらい、夏・冬は15000円ぐらい(大学経由で購入すると1万円程度)。
  • テコム:全て1万円ちょい、大学経由だとちょっとだけ割引になります。
  • メディックメディア:各17000円弱、大学経由だと1万円ぐらい。ただし、大学単位ではセットで購入すると信じられないぐらい安くなります。多分想像よりずっと安くなります。*1*2

大学で強制的に受験させられる場合は、模試代を払わなくていいこともあります。(もちろん学費から支払われているだけなので、タダで受けているわけではないです。)

 

受験生の数

自分の記憶や周りの話から、ざっくりと多いか少ないかぐらいしか言えませんが、おそらく一番受験生が多かったのが「第4回テコム」で、その次に「冬メック」が多く、他の模試は多くて全体の半数程度が受験しているような感じだったと思います。

 

模試受験の特典

どの社も、特に秋以降の模試では「模試解説講義無料」や、「最新国試解説講義無料」などが付いてきます。

ちなみにメディックメディア模試は、正答率的に合否を分ける問題をQAssistの講師の先生が解説した動画や、直前模試では2日間に渡る、メディックスペース生とのハイブリッド形式の復習合宿が無料でついてきました。

 

模試の難易度

よく「〇〇模試は難しい」という噂を耳にしますが、正直どの社の模試も「難しい」という噂が流れていたので、結局人によって感じ方が違うだけなのかもしれません。

個人的には、メディックメディア直前模試と第4回テコムがめちゃくちゃ難しく感じましたが、直前期の模試は各予備校の国試予想問題としての要素が大きいので、正直成績云々より、直前期に重要なトピックを効率よく学ぶために受けている感じでした。

 

模試の問題の質(国試との類似度)

どの社の模試も、最初の方の模試は「病名さえ分かったら解ける」問題がかなり多いと思います。なので、周りと比較してどれぐらいの成績にいるのかや、勉強済みの分野ではしっかりと基本事項を押さえられているか、を確認することが主な目的となります。(例えば、上気道症状後に全身の脱力がみられた場合にギランバレー症候群を考えられるかや、fine cracklesを聴取し「古い木造家屋」に引っ越したという病歴から夏型過敏性肺炎を想起できるか、など。)

そして、秋から冬に回が進むにつれ、鑑別疾患を考えたり、治療法の適応や禁忌の細かい話が出題されるようになり、国試で合否を分けるポイントが実際に解けるかを問われます。(末梢神経の脱髄疾患だと分かっても、外眼筋麻痺の一言があることでギランバレー症候群ではなくフィッシャー症候群だと分かるかどうかや、過敏性肺炎でもCD4/CD8比が上昇しているので、鳥飼病や農夫肺、またはサルコイドーシスの可能性を考えられるか、IFN-βを使用するのは多発性硬化症だけで、視神経脊髄炎には禁忌だ、など。)

なので、全体的にどの社も、「第1・2回目の模試は比較的国試より解きやすく、第3・4回模試ぐらいになると、実際の国試より難しく感じる」という雰囲気です。

 

各模試の長所・短所まとめ

メック

 長所:割とみんなが受けている感がある

    春から模試があるので、1年の成績の変動が分かる

 短所:成績が確認できるまでの期間が長い

    人によっては凄く難しく感じる

 

テコム

 長所:学校受験で選ばれることが多く、大学ごとの成績が分かる

    受験者が多いので偏差値に信憑性がある

 短所:成績閲覧サイトがやや古めかしく、操作性が良くない

 

メディックメディア

 長所:復習がWebだけで出来、圧倒的に操作性が良い

    解説書がQB形式なので見やすい

 短所:受験者がまだそこまで多くない(※)

    偏差値がやや低めに出る気がする(※)

※新しい模試であり、だんだん受験者が増えている模様。118回以降ではもっと多くなることが予測されるので、デメリットとは言えないかもしれません。

 

模試は1,2個しか受けない、という方も中にはいらっしゃいますが、多くの受験生は、夏・秋・冬に最低1ずつは模試を受けると思います。

 

「そこまで受ける余裕がない!」という方は、

  • 9月ごろに実施される第2回テコムか夏メックのどちらかを「夏・秋兼用」として受験
  • 直前期に冬メック、第4回テコム、メディックメディア直前模試のいずれかを受験

という手もあります。

 

また、「全部の模試を受けたい!」という方は、受験間隔がある程度保てるように、前もって模試の受験スケジュールを決めておくことをおすすめします。なお、6年生春~夏はマッチングで多忙であることが予想されますが、第1回テコム模試とメディックメディア夏模試はともに受験時期が7月ごろであるため、たくさん病院を受験される方は、どちらかの模試に絞った方がマッチング対策に集中できるかもしれません。

(もちろん、買うだけでも買っておいて、受験時期は外れるけれど後でじっくり解く、という方法もあります。その場合、他の受験生より遅く受けるので、実際より高めの偏差値が出る可能性が高いことに注意しましょう。)

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

国試対策に模試は必要不可欠ですが、実際にどう受験すればよいか分からない方も多いと思います。

模試の受験に関して悩んでいる方がいらっしゃいましたら、この記事が役に立てば幸いです。

*1:※模試代は各予備校のホームページを参考にしました。

*2:※メディックメディア模試は116回まで全2回だったこともあり、値段や割引率などは118回受験生の頃にはかなり変化している可能性があります。