医学生の疑問①女性の服装

みなさんこんばんは。

とうとう4月ですね。医学生から研修医にジョブチェンジ(?)したわけですが、正直全く実感がありません。

新しい環境でやっていけるか、不安半分、期待半分といったところです。

 

さて、今回は、私が学生時代に疑問に思っていたことについてお話ししたいと思います。

テーマはずばり、「女子医学生の服装規定について」。

OSCEやポリクリ、マッチングなどで、白衣の下に着る服装や、病院見学・面接時の服装について迷われた女子医学生も多いのではないでしょうか。

企業就職とは違い、明確なルールが存在しないからこそ、「どこまではOKで、何がNGなのか」がはっきりせず、堅苦しい恰好しかできなかったり、逆に崩しすぎて注意されてしまったパターンもあるかと思います。

そこで、一般就活の例と比較しながら、医学生の服装規定について私見も交え考察していきたいと思います。

 

 

病院見学・面接の際の服装

普通の就活スタイルは?

病院見学・面接では、ほとんどの方がスーツを着用されています。

ネイビーやグレーなどの色付きスーツを着用されている方も中にはいらっしゃいますが、ほとんどの方はいわゆる「リクルートスーツ」、就活用の黒い無地のスーツを着ています。

 

基本的に、就活では下の画像のような黒い無地のスーツを着用します。

  • 無地で、柄のない黒/ネイビーのスーツ
  • ジャケットはボタンが2つついているものが無難
  • シャツは無地の白色で、第一ボタンを閉める。スキッパ―は基本×
  • ボトムスは膝が隠れるぐらいの長さのタイトスカート
  • パンツは長めの丈(テーパードパンツは×)、シルバー金具の太い黒ベルト
  • パンプスは黒で光沢のないもの、ソールも黒(ストラップ着用可)
  • バッグは金具がシルバー、自立式、シンプルなデザイン
  • タイツはNG、ベージュのストッキング着用
  • 化粧は控えめ、ノーメイクは基本NG
  • 腕時計着用
  • アクセサリーは×。結婚指輪は〇。

 

やや時代遅れな感じもしますが、面接官は世代が異なるため、無難にスタイリングするのがベターだそうです。

 

では、病院見学や面接でもこのスタイルじゃないといけないの?という疑問ですが、答えはNOです。

医学生の就活は基本的に、一般の就活と比較し「圧倒的に緩い」と思います。

例えば、今どき名刺入れを持参している医学生はほとんどいませんし、挨拶のマナーなども大学で学ばないまま就活に入るので、一般就活と比較して、そこまでのレベルを要求されることはまずありません。しかも、面接する側も「何が正しい就活スタイルなのか」をよく知らない場合が多いらしく、少し崩したところで問題がないことがほとんどです。

とはいえ、面接に派手な色のスーツを着用したり、短い丈のスカートを着用したり、模様やフリルのついたシャツを着用すれば、病院によっては不適切と思われる可能性もあります。

ここだけは知っておくべきポイント

ということで、マッチングを経験した後だから言える、「ここだけは知っておくべきポイント」をまとめました。

スーツ

リクルートスーツとして販売されているスーツを着用するのが無難。看護学生の中には、喪服をイメージさせるという理由で黒を避けてネイビーを選ぶ方もいるみたいですが、基本のスタイルは黒のスーツです。

 

ボトムス

病院見学では、スーツ姿にジャケットを脱いだ状態で白衣を着用し見学するため、パンツスタイルがベターです。そのためか、面接時も多くの医学生がパンツスタイルでした。タイトスカート以外のスカートや、膝より短いスカートはNGです。

 

パンプス

病院見学も面接も基本は就活用の黒いパンプスを着用します。ただし、見学の際はずっとパンプスだと足が痛くなるので、着替えの時にスニーカーに履き替えたほうがいいです。ちなみに、スニーカーは白の目立たないものがおすすめで、色や模様が派手なものなどはNGです。

基本的にヒールの高さは3~6cmが一般的ですが、高いヒールを普段から履かないという方は、歩き疲れなどを考慮して低めのヒールを選ぶことをお勧めします。

 

バッグ

バッグは、せめて面接の時だけは就活用の自立式の物を使うのがベターです。最近は、就活用でありながら普段使いもしやすいデザインのものも増えていますし、わざわざ買い足さなくても、黒くてシンプルで、自立し、金具がシルバーでA4サイズのファイルが入るトートバッグなら基本的には大丈夫だと思います。明らかに就活バッグじゃないものを持っている医学生もたまに見ました(それが大丈夫だったかは分かりませんが…)。

 

ストッキング

冬場の病院見学は寒くなるので、タイツを着用してもおそらく問題ないと思います。ですが、面接時はできるだけストッキングにしましょう。二次・三次募集など寒い中での面接の際は、ベージュのタイツを着用してもバレないかもしれません。ただ、スカートを着用する場合はさすがにバレるかもしれないで、ストッキングを着用しましょう。

 

シャツ

シャツは白い無地のものを選びます。ボタンを色付きの糸で縫い付けているシャツなどもありますが、目立たない程度であれば問題にはならないかもしれません。ちゃんとしたいのなら、白の無地の第一ボタンがあるタイプのシャツを着用しましょう。スキッパータイプでもおそらくあまり問題にはならないはずです。実際、スキッパーシャツの医学生は結構いました。

 

その他

アクセサリー、ネイルは絶対にNGです。結婚指輪は、見学の際は衛生面を考慮し外した方がいいと思われます(残念ながら)。ここら辺は学内での病院実習と同じですね。

 

現役で大学に入学された方の中には、黒い無地スーツを持っていない方もいるかもしれませんが、黒い無地のスーツは学会などに参加する時も十分使用できるので、できれば一式そろえておくのが安心だと思います。

 

オフィスカジュアルとは?

OSCEやポリクリクリクラなどの病院実習で、「男性は襟付きのシャツに派手ではないパンツ、女性はオフィスカジュアルに派手でないパンツまたは膝の隠れるスカート」なる謎の服装指定を食らった医学生は多いのではないでしょうか。

男性にとって、襟付きのシャツなんて下手したら私服でも大丈夫なレベルですが、女性で襟付きのシャツは比較的ハードルが高いですし、そもそも指定と言いながらルールが雑じゃないか!と思った方も多いはず。

実は、女子医学生だけではなく、世間のキャリアの女性たちも、明確な「オフィスカジュアル」の基準を正確に知っている人はかなり少ないんだそうです。

なんとなく「ここまではいけるかな?」と雰囲気だけで選んでいて、実は浮いていた、なんてことがあるそうで、オフィスカジュアルというものが誰にとっても難しい基準であることがわかります。

 

では、どんな格好なら医学生に許される「オフィスカジュアル」の範疇に入るのでしょうか。

 

トップス

・シャツ

・てろんとした生地のブラウス

・派手でないニット

がオフィカジスタイルにおいて着用されるトップスになります。

襟付き指定がある時はシャツを着用すべきですが、そうでなければブラウスやニットも使用できます。

シャツは男性と同様、白だけでなく、色付きのものもOKです。派手なものは出来るだけ避けましょう。また、OSCEでは白シャツを着用しましょう。

ブラウスは医学生の場合、色は白または黒、淡いベージュのものであれば大丈夫だと思います。他の色については許されるか微妙です。フリルなどの飾りは控えめな物を選び、アクセサリーが付属しているものは避けましょう。

冬場は寒くなるので、シンプルなニットであれば着用可能です。色や柄はできるだけ地味なものにしましょう。

 

ボトムス

ボトムスは、

・パンツ

・ロングスカート

を着用できます。

パンツはウエストリボンなどがついているものも地味であれば可能です。ストレート、ワイド、テーパード、フレアパンツなど、丈が長くシンプルであれば基本的に形は問われません。柄が少なく、目立たない色合いのものなら大丈夫でしょう。デニムはNGです。

スカートも長いものであれば基本可能ですが、動きづらいので推奨はしません。プリーツスカートなど装飾が派手なものは避けましょう。

トップスよりボトムスのほうがやや自由度は高いですが、業務に支障をきたさないような恰好が望ましいという点は共通です。

 

ワンピース

また、女性の場合はワンピースも着用できます。

ただし、丈の長いワンピースはものによってはデザイン性が高すぎるため、「丈がちょうどよく、かつ地味なワンピース」自体、数が少ない気がします。

よくあるシャツワンピースなども、丈が短いか、長くてもカジュアルすぎるためおすすめはしません。

ベルト

基本的に、オフィスカジュアルではシンプルなデザインであれば色付きでもOKです。

編み込んであったり、デニム調だったり、柄のあるものは避けましょう。

 

靴に関しては、通常のオフィスカジュアルとはやや異なります。

オフィカジスタイルでは、パンプスやローファーが基本となります。

ですが、医学生の場合、動きやすさなどの面から白いスニーカーが推奨されます。

クロックスなどのスリッパを履いておられる先生をよく目にしますが、学生の身分でスリッパは基本NGです。

 

まとめ

いかがでしょうか。

私見も混ぜての解説なので、中には違う意見もあると思いますが、できるだけシンプルでデザイン性の少ないものがベターである点は満場一致でしょう。

回りから浮かない、かつ、きちんと見えるスタイルで、日々の実習ファッションをアップデートしてみて下さいね。

 

 

117A75

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動脈血ガス分析(room air)の結果を示す。(pH:7.48 PaCO2:52Torr PaO2:72Torr HCO3-:37Torr)

単純性の酸塩基平衡障害として、最初の変化(1次性変化)と代償性変化(2次性変化)の組合せで正しいのはどれか。

a 呼吸性アシドーシス なし
b 呼吸性アシドーシス あり
c 呼吸性アルカローシス なし
d 呼吸性アルカローシス あり
e 代謝性アシドーシス なし
f 代謝性アシドーシス あり
g 代謝性アルカローシス なし
h 代謝性アルカローシス あり

 

pHの正常値は7.35~7.45。今回は7.48なのでアルカレミアです。

PaO2は酸塩基平衡に関係ないので無視します。

アルカレミアになっているので、アルカローシスがあるのかもしれないと考えて、PaCO2とHCO3-を見ます。

PaCO2は52>40であり、上昇しています。PaCO2が上昇しているので、アシデミアになってもおかしくない状態なのに、今回はアルカレミアだということは、代償性変化によって上昇しているのでしょう。

HCO3-は37>24と上昇しており、アルカレミアに矛盾しないため、HCO3-の上昇が原因でアルカローシスになったと考えられます。つまり代謝性アルカローシス。

よって、代謝性アルカローシスで代償性変化あり、が答え。

 

回答:h

予想模範解答:h(正答率90%台前半)

 

やっぱり酸塩基平衡は病みえのイラストが1番です。

117A74

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88歳の女性。下血を主訴に救急車で搬入された。朝から痛みを伴う右下腹部膨隆に気付き、その後に下血を認めたため救急車を要請した。両側大腿骨頚部骨折で人工骨頭置換術の既往がある。意識は清明。身長152 cm、体重42 kg、体温37.0℃、心拍数104/分、整。血圧98/56 mmHg・腹部は全体に膨隆しており、腸雑音は充進している。右鼠径部に径3cmの膨隆があり、緊満し圧痛を認めた。血液所見:赤血球368万、Hb 12.9 g/dL、Ht36%、白血球15,600、血小板21万。血液生化学所見:総蛋白6.5 g/dL、アルブミン2.9 g/dL、総ビリルビン0.9 mg/dL、AST 28 U/L、ALT 26 U/L、LD 287 U/L (基準120~245)、CK 162 U/L (基準30~140)、尿素窒素44 mg/dL、クレアチニン1.8 mg/dL。 CRP 4.7 mg/dL。来院時の骨盤部単純CT(腸管内ガス貯留、niveau。右鼠径部に腫瘤)を別に示す。
対応として正しいのはどれか。

a 浣腸
b 緊急手術
c 経過観察
d イレウス管留置
e 鼠径膨隆部の穿刺

 

niveauを認め、腸雑音亢進(おそらく金属音)もあり、イレウス。鼠径部に腫瘤を認めてからのイレウスであり、鼠径ヘルニア。LD上昇、CK上昇しており、腸管壊死所見を認めることもあり、また鼠径ヘルニアの第一選択は手術なこともあり、答えはbの緊急手術。

 

回答:b

予想模範解答:b(正答率90%台後半)

117A73

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50歳の男性。動悸と息切れを主訴に来院した。高校生のころ、学校健診で心雑音を指摘され、心房中隔欠損症と診断されたが、投薬治療は受けていない。半年前から動悸と息切れを自覚するようになり、当院を受診した。脈拍80/分、整。血圧122/78 mmHg。 SpO2 97 % (room air)。呼吸音に異常を認めない。経胸壁心エコー検査の傍胸骨短軸像(大動脈弁レベル)(右房が著明に拡大?)を別に示す。心臓カテーテル検査で平均肺動脈圧30 mmHg、Qp/Qs 3.1であった。
この患者の病態で正しいのはどれか。2つ選べ。

a 肺高血圧を認める。
b 心房細動を合併しやすい。
c 肺血流量は体血流量より減少している。
d 抜歯時に感染性心内膜炎の予防的抗菌薬投与が必要である。
e 提示した心エコー図では右房から左房への血流が認められる。

 

ただでさえ苦手な循環器領域が続き、しかも難問なので萎えました。

Qp/Qs 3.1、つまり、肺体血流比が3.1。既往歴にASDがあり、Eisenmenger化したと考えられます。

a Eisenmenger化したので、肺高血圧は認める。〇。

b 左房負荷がかかればAFを認めうる。あれ…?右→左シャントなので、左房負荷かかってますよね。じゃAF認めますよね。今考えたら〇なのですが…本番では左右がよく分からなくなって、×にしてしまいました。

c Qp/Qs 3.1なのでQp>Qs。×。

d 必要だったような気がするんですが…VSDの方だったかもしれません…

e ドップラーの赤と青の原理をいまいちよく分かっていなかったので、どちら向きの血流かわかりませんでした。

 

回答:ad

予想模範解答:ab(正答率50%台前半)

 

そうでした、ASDはジェット血流が生じにくいので感染性心内膜炎になりにくい方でした。

ドップラーエコーですが、プローベに近づく方が赤なので、eは右房に向かう流れです。

普通に何回か勉強した知識なので、勉強不足だった感が否めませんが、なぜか正答率も50%ちょっとしかないので、みんな苦手な範囲なのでしょうか。

117A72

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5歳の男児。今後の治療方針を決定するために心臓カテーテル検査を受けることになった。1歳6か月健診で心雑音を指摘され、心エコー検査で心疾患と診断されたが、これまでは心疾患による症状を認めず、経過を観察されていた。心臓カテーテル検査の心腔内酸素飽和度に関する結果を示す(右室より左右肺動脈のほうが酸素飽和度が6%以上高い)。
この児の心疾患として最も考えられるのはどれか。

a 動脈管開存症
b Fallot四徴症
c 心房中隔欠損症
d 心室中隔欠損症
e 房室中隔欠損症く心内膜床欠損症〉

 

肺動脈に直接酸素が豊富な血流が流入しています。aの動脈管開存症しかありえません。

 

回答:a

予想模範解答:a(正答率90%台前半)

 

噂によると、今年の小児科はやや解きやすかったそうです。

確かに、小児科領域で難しかったと印象に残った問題がないので、そうなのかもしれません。

 

 

117A71

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22歳の男性。失神を主訴に来院した。中学生のころから健康診断で心電図異常を指摘されていた。5年前に失神した際に救急外来で頭部CT、脳波検査を受けたが異常は指摘されず、経過観察となっていた。本日、朝食後、失神したため当院を受診した。外来の処置室でも動悸と気が遠くなることを訴えている。既往歴に特記すべきことはない。母方のおじが14歳時に死亡している。身長153 cm、体重46 kg、脈拍64/分、整。血圧106/72 mmHg。胸腹部に異常を認めない。血液所見: Hb13.5 g/dL、白血球 7,600、血小板 31万。血液生化学所見:アルブミン3.3 g/dL、AST 24 U/L、ALT 24 U/L、CK 34 U/L (基準30~140)、 尿素窒素11 mg/dL、 クレアチニン0.5 mg/dL、血糖94 mg/dL、Na 136 mEq/L、K4.1 mEq/L、脳性ナトリウム利尿ペプチド<BNP>27.2 pg/mL (基準18.4以下)。
心筋トロポニンT迅速検査陰性。来院時の12誘導心電図(陰性T波?QTは延長)と発作時の心電図モニターの波形(VF??)とを別に示す。
初期対応で行うのはどれか。2つ選べ。

a β遮断薬静注
b ヘパリン静注
c ジゴキシン静注
d ループ利尿薬静注
e 硫酸マグネシウム静注

 

難問です。若い男性の不整脈で、家族歴がある時点でBrugadaなどを考えますが、心電図上は明らかにQT延長症候群です。遺伝的な要因があることが明白なので、「先天性QT延長症候群」という病気なのだろうな…と予想しました(そういう病名がある事すら知りませんでした…)。

さて、そこまで分かったはいいものの。問題は「何の薬を使うか」です。

a BNPは基準値をやや上回っている程度。慢性心不全では三桁ぐらいに上昇していてもおかしくないので、この程度のBNP上昇を有意ととるかどうか悩みましたが、国家試験で初出題の疾患で、「基準値を超えているのに有意ではない」的なイジワルは普通しないだろう…と考え、現在は明かな心不全徴候はないが、心不全になりつつはある状態だと捉えることにしました。

そうすると、慢性心不全の治療薬であるβ遮断薬はおそらく投与すべきなので、〇。

b ヘパリン…?血栓でもないのに?AFでもないのに?×。

c ジゴキシン…ジキタリス…冬期講習でめちゃくちゃやったやつです。AFがないので×。

d ループ利尿薬…体液貯留を認めないので×。

e 硫酸マグネシウムは産科領域では??×。

 

ということで、a以外どれも×になってしまい、悩んだ挙句、全然納得できないまま慢性心不全で使用しうるdを選びました。

 

回答:ad

予想模範解答:ae(正答率50%台前半)

 

先天性QT延長症候群には硫酸マグネシウムを用いるそうです。

1日目の帰りにTwitterで見て、思わず「知らんがな」と呟いてしまいました。

とはいえ、50%もの人はこれを解けたということですが…私は産科領域以外で硫酸マグネシウムを見た記憶がないので、みんながどうしてeを選択できたのか凄く不思議です。

どこかの予備校で予想されていたのならともかく、硫酸マグネシウムをどういう目的で投与するのかすら知らない私にとっては、この正答率は完全に謎of謎です。

というか、心電図が大の苦手で、QTが延長していることに気付けたことですら自分的にはファインプレーだったので、もう私には解けない運命の問題だったのかもしれません…

研修医向けの心電図講座受けよ…orz

117A70

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生後1時間の男児。在胎30週、体重1,200 g、Apgarスコア6点(1分)、8点(5分)で出生した。母親は28歳の初産婦。胎児心拍数陣痛図で遅発一過性徐脈を認めたため、緊急帝王切開が行われた。出生後、第1呼吸を認めたが、蘇生台で処置中に浅い呼吸を認めるようになり、NICU内の哺育器に収容した。体温36.5℃・心拍数148/分、整。呼吸数90/分。SpO2 97 % (哺育器内の酸素濃度30%)。心音に異常を認めない。呼吸音は左右差なく肺胞呼吸音を聴取する。胸骨上窩と季肋下とに陥没呼吸を認める。胃液を用いて検査を行ったところ、結果は「zero」であった。検査の際に用いた器具の写真(ピペット、カバーガラス、スライドガラス)を別に示す。
検査結果を踏まえた対応として適切なのはどれか。

a 胃洗浄
b 抗菌薬投与
c インドメタシン投与
d デキサメタゾン投与
e 肺サーファクタント気管内投与

 

在胎30週<32週であり、体重1200gと極低出生体重児、陥没呼吸を認めており、今回の「胃液を用いる検査」はマイクロバブルテストです。「陽性」が「肺サーファクタントあり」のことなので、今回の「zero」は「肺サーファクタントなし・検出感度以下」という意味になります。なので、肺サーファクタント投与ですね。dのデキサメタゾン投与は、切迫早産で1週間以内に分娩が見込まれる場合などで、児の肺胞成熟を促すため母体に投与するものです。今回は既に生まれている新生児なので、そのまま肺サーファクタントを投与します。

 

回答:e

予想模範解答:e(正答率ほぼ100%)