117A6

117A6

溶血性尿毒症症候群でみられるのはどれか。2つ選べ。

a LD高値

b 破砕赤血球

c 血清補体価低値

d 網赤血球低値

e 抗ADAMTS-13抗体陽性

 

割と基本的な知識なので、落ち着いて回答しました。

溶血性尿毒症症候群HUSは、血栓性血小板減少症候群TTPと対比して覚える疾患です。発熱と動揺する精神症状があるのはTTP、それがなく三徴(血小板減少、溶血性貧血、超超大事な腎障害)だけなのがHUSです。O-157でなるやつです。ベロ毒素ほんとに怖い。

LD高値はニアリイコールで溶血性貧血です。あと悪性リンパ腫ですが、とりあえず溶血性貧血です。

破砕赤血球はHUS、TTPともにみられます。

血清補体価低値となる疾患は、国試対策では必ず覚えておくべきです。糸球体疾患を勉強するときに始めて学びましたが、直前期になるにつれて他の疾患も覚えるようになりました。溶連菌感染後糸球体腎炎、膜性増殖性糸球体腎炎、ループス腎炎(すなわちSLEも)、クリオグロブリン血症、悪性関節リウマチ、コレステロール塞栓症です。ちなみにC型肝炎はクリオグロブリン血症にも膜性増殖性糸球体腎炎にもなりうるので、補体低下しててもおかしくないんですが…そんなこと言い出したらきりがないので忘れて下さい・・・。上の6つの疾患、1つぐらいは覚えるのをサボりたいところですが、残念ながらどれもちゃんと国試に出てしまうので、諦めて覚えて下さい、医ンプットとか利用すればいいゴロとかあるかも。

網赤血球は溶血性貧血で高値と1対1対応ぐらいで覚えていたので即切り。

抗ADAMTS-13抗体は、こちらこそ正真正銘の1対1対応で血栓性血小板減少症候群ですね。ADAMTS-13はvon Willebrand因子の親玉みたいなやつを切り刻んで正規のvWFにする分子なので、TTPではこれがなくなり、巨大vWFが血管内で赤血球を通せんぼします。ちなみにTPPは環太平洋経済連携協定です。国民皆保険が脅かされてるやつです。間違えないように注意してください…

 

回答 ab

予想模範解答:ab(正答率95%以上)

 

前問の神経性食思不振症の問題よりやや正答率が低そうなのは意外中の意外です。

メディックメディアの清澤先生がよく、「最近の医学生は優秀」と言っていますが、本当にそうですね。117A4といい、正答率の高さに驚きます。