117A5

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女性に多いのはどれか。

a 双極Ⅰ型障害

b アルコール依存症

c 自閉症スペクトラム

d 神経性食思<欲>不振症

e 反社会性パーソナリティ障害

 

117回の精神科はかなり簡単でしたね。得意なので、残念です。(笑)昨年みたいに、境界性パーソナリティー障害の難しい問題的なのが出るかと期待してたんですが。(他の受験生に迷惑ですね。すみません。(笑))

精神科にあまり興味のない学生さんは、模範解答まで読み飛ばしちゃってください(笑)

 

双極性障害ではなく双極Ⅰ型障害と書いているのが、自分的にめちゃくちゃ刺さりました。確かに双極性障害全体では男女差はあまりありませんが、双極Ⅱ型障害は女性の方がやや多いと言われています。ちなみに、Ⅰ型は国試に出てくるような典型的な躁状態を示す方で、Ⅱ型は軽躁状態になることはあっても、ほとんどをうつ状態で過ごします。全然国試レベルの知識じゃありませんね。すみません。

アルコール依存症ですが、アルコール摂取量が最も多いのは「高所得の男性」、喫煙率が高いのは「低所得の男性」と公衆衛生で勉強すると思います。そのイメージ通り、アルコール依存症は統計的には男性に多い疾患です。CAGEスコアでスクリーニングできますので、皆さんもやってみて下さい。割と当てはまったりします(私はめっちゃ高得点でした。気をつけます。)

自閉スペクトラム症は男性に多いのが特徴です。女性の自閉症スペクトラムASDは症状が分かりにくく、DSMなどの診断基準が自閉症スペクトラム症の男児をベースに作られているなんて話もあってか、女性のASDは見逃されている、という有力な説があったり。これも国試とはまるで関係のない話です。

神経性食思不振症はいわゆる「拒食症」、アノレキシアとよばれる疾患です。女性に多く(というかほとんどが女性かもしれません)、特に「痩せている女性が美しい」という社会的風潮が強い国で有病率が高いとも言われています。Addison病との鑑別が国試的に重要になりますが、Addison病は原発性副腎不全なのでアンドロゲンが減少し、結果毛がなくなりますが、アノレキでは産毛が生えてきます。類縁疾患の神経性大食症も知っておきたいところ。

パーソナリティー障害は基本的に境界性しか出ないので、他のパーソナリティー障害が出たらだいたい誤答です。今後は違うかもしれませんが。反社会性パーソナリティー障害は、境界性や自己愛性、演技性とともに「クラスターB群」に分類されるパーソナリティー障害です。犯罪などの反社会的行為を反復し、良心の呵責に欠けているパーソナリティー障害です。男性に多いです。

女性に多いパーソナリティー障害としては、境界性(B群)、演技性(B群)、依存性(C群)があります。

 

回答:d

予想模範解答:d(正答率99%)

 

得意分野なのでちょっと語りすぎてしまいましたが、「摂食障害は女性」だけ知っていたら即答できる問題で、正答率からもお分かりの通り、意外と何も考えなくても解ける系問題かもしれません。