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22歳の男性。左眼の眼痛と視力低下を主訴に来院した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行によりリモートワークとなり、出社は月1回である。1週間前に出社し、1か月ぶりにソフトコンタクトレンズを装用した。2日前から左眼が充血、次第に眼痛が増強して見えにくくなった。左眼の視力は眼前手動弁である。前眼部の写真(結膜充血、角膜に円板状潰瘍があり、前房蓄膿がみられる。縮瞳)を別に示す。
最も考えられるのはどれか。
a 春季カタル
b 角膜ヘルペス
c 細菌性角膜炎
d 流行性角結膜炎
e クラミジア結膜炎
コンタクトレンズ関連の疾患は予想されていたのでちゃんと勉強したつもりでしたが、見たはずのものがない!!!
最初は全く分かりませんでしたが、何とか答えに辿り着きました。
a 春季カタルは、あのでかいぼこぼこがないので×。
b 確かに円板状潰瘍は実質型の角膜ヘルペスでありますが、コロナ禍で久々にコンタクトレンズ付けたらそのせいでウイルス性疾患になった、はおかしすぎる気がします。ウイルスはコンタクト保養液内で自己増殖しないので恐らく×。
c 細菌性角膜炎??聞いたことない病名でしたが、保養液内で細菌が増殖し、それが角膜に感染したなら、角膜の潰瘍も、前房蓄膿も説明がつきます。〇
d 流行性角結膜炎はアデノウイルスによる感染症で、接触感染なので久々に外出した人がかかるってのはストーリー的に違う。
e クラミジアってことは性感染症?ストーリー的に違うので×。
回答:c
予想模範解答:c(正答率80%半ば)
後から気づきましたが、コンタクトレンズで緑膿菌感染しうるので、細菌性角膜炎はコンタクトレンズ関連疾患ですね。また、クラミジア結膜炎は「結膜炎」ですし、トラコーマと封入体結膜炎の2種類があって、トラコーマは現在は新規患者がないそうです。