117A22

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21歳の男性。胸郭の変形を主訴に来院した。3歳ごろから変形が目立ち、人前で着替えることを恥ずかしいと思っている。体温36.8℃、脈拍84/分、整。血圧120/68 mmHg。呼吸数18/分。SpO2 98%(room air)。胸骨陥凹があり呼吸性に変動しない。皮膚の発赤、腫脹および熱感はない。胸部に圧痛を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。胸部単純CT(肺野条件。どのレベルの画像か分かりませんが、胸郭の形が文字通り凹の形になってます)を別に示す。

考えられる疾患はどれか。

a 鳩胸

b 漏斗胸

c 骨軟骨腫

d 肋軟骨炎

e 結核性脊椎炎

 

見たことないタイプの問題でした。「なにこれ!?」となりましたが、案外普通に解けました。

まず、3歳ごろから胸郭の変形がみられたことから、先天的または遺伝的なものであり、腫瘍とか骨折とかそういうのではなさそう。陥凹は呼吸性に変動しないということは、肋骨骨折で胸郭がプカプカ浮いてる、とかでもなさそう。発赤・腫脹・熱感という炎症の三徴がすべて陰性なので、炎症はもちろん否定的。バイタルも特に問題なく、SpO2も保たれているので、悪い疾患ではなさそう。

ということで、既に選択肢はaとbに絞られますが、鳩胸はご存知の通り、鳩みたいに胸部の上の方が盛り上がっているやつですよね。ということで消去法で漏斗胸となります。

 

回答:b

予想模範解答:b(正答率90%半ば)

 

漏斗胸はMarfan症候群でみられうる胸郭変形であり、この問題に身長が書いてなかったのがめちゃいやらしいと思いました。今回はいろんな予備校の総評に書かれている通り、画像をしっかり読ませる問題がめちゃくちゃ多かったです。

また、一応漏斗胸でも心肺の圧迫症状がみられることがあるようです。羞恥心を感じているというのもキーワードなようです。

 

最初は国試本番中の思考回路だけ書く予定でしたが、何だか復習しちゃってますね…受験勉強のクセってのはそんなにすぐはとれませんね。