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26歳の女性。体幹の皮疹を主訴に来院した。半年前から四肢体幹に皮疹が出現し、徐々に増数し、それぞれの皮疹も拡大している。既往に幼少期発症のアトピー性皮膚炎がある。眼疾患やてんかんはない。頸部、体感および四肢に同一の皮疹が多発している。皮疹に鱗屑はない。痛みや痒みはない。腰部の写真(腰に大きな白斑。辺縁不整?)を別に示す。
最も考えられるのはどれか。
a 癜風
b 体部白癬
c 葉状白斑
d 尋常性白斑
e 眼皮膚白皮症
画像を見て「葉状白斑の問題だ!」と一瞬思いましたが、病歴的にどうやら違うよう。白斑の鑑別なんて全然ノーマークだったのでプチパニックになりました。
a 癜風はマラセチア族による皮膚疾患で、鱗屑がない時点で×。
b 白癬はめちゃくちゃ痒くて耐えられないレベルらしいので、痒みがない時点で大きく×。
c 国試的に白斑と言えば葉状白斑だと思ってましたが、てんかん(West症候群)の既往がないことと、年齢が違う(葉状白斑は幼児期に発見?)ことから結節性硬化症の可能性は低いので×。
d どんな病気かよく知りませんが、「尋常性」と言うだけに、比較的ありふれた疾患だろうということで〇。
e 眼皮膚白皮症という疾患は知りませんでしたが、眼疾患がない時点で違いそうなので×。
消去法で尋常性白斑を選択。
回答:d
予想模範解答:d(正答率80%台半ば)
1日目の夜には既に、「国試で尋常性白斑が出た」とSNSで話題になっていました。
皮膚科の「尋常性」シリーズは、尋常性天疱瘡、尋常性乾癬、尋常性疣贅(いぼ)、尋常性魚鱗癬、尋常性狼瘡(皮膚の結核感染症)、尋常性白斑などがあり、「尋常性魚鱗癬が出るんじゃないか?」という予想があった気がしましたが、そっちではなく尋常性白斑の方が出たっぽいですね。一応尋常性シリーズはレビューブックマイナーでちらっと見ていたので、尋常性白斑の存在をちゃんと知ってる状態で回答できたのは良かったです。
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