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40歳の初妊婦(1妊0産)。妊娠24週、随時血糖110 mg/dLであったため、自宅近くの産科診療所から紹介され受診した。既往歴、家族歴に特記すべきことはない。子宮収縮の自覚はなく、性器出血を認めない。身長 160 cm、体重 59kg(妊娠前体重55kg)。体温 36.7°C。脈拍88/分、整。血圧 110/80 mmHg。経口グルコース負荷試験<75gOGTT>:負荷前値: 90 mg/dL、1時間値: 190 mg/dL、2時間値: 160 mg/dL。 HbAlc 5.4 % (基準4.6~6.2)。
適切な対応はどれか。2つ選べ。

a 運動療法を勧める。
b 経口血糖降下薬を用いる。
c 食事は4~6分割食を勧める。
d 食後2時間の血糖値150 mg/dLを目標とする。
e 1日の摂取エネルギーを1,200 kcalに制限する。

 

妊娠20週以降に判明した妊娠糖尿病です。腎症の有無については不明。負荷前血糖値<126、HbA1c<6.5より、妊娠中の明らかな糖尿病ではありません。国試前日に詰め込んだド下ネタゴロのお陰で、75gOGTTの診断基準は覚えていました(負荷前92、1時間180、2時間153mg/dL以上)。ちなみにド下ネタゴロはメディックメディアの医ンプットで検索したらすぐに出てきます…

a 三大合併症のない糖尿病の治療にはまず食事療法と運動療法を推奨しますが、今回は妊婦。模試か何かで、食事療法はするが妊婦の場合過度な運動は×、という問題があった気がしたので、この選択肢は他の選択肢との兼ね合いで〇か×か決めようと考え、保留。

b 経口血糖降下薬は妊婦に禁忌です。インスリンしか使えません。×

c 妊婦はインスリン分泌が不安定であり、食後高血糖・空腹時低血糖になりやすく、この状態が継続することで妊娠糖尿病が進行していくのだとか。なので、分割食は〇。

d 目標値は完全に忘れていました。が、確か、結構シビアな値だった気がしますし、2時間値の診断基準が153なのに、目標値が150なんていうほとんど変わらない数値なわけがないだろう、と思い、×。

e 今回の患者さんの標準体重は、22×1.6×1.6=56.32、エネルギー摂取目標は25~35kcal/kgなので、大体1408~1971kcalを摂取すればいいことになります。あと、妊娠糖尿病でなければここにプラス200kcalとかした気がするので、1200は少なすぎます。×

 

ということで、消去法でaとc。

 

回答:ac

予想模範解答:ac(正答率70%台前半)

 

国試10日前ぐらいからふと気が付いたのですが、ゴロって大事ですね。

あまりゴロは好きではなくて、普段使用してなかったのですが、ゴロなしで覚えた知識って、よほど日常的に使っていない限り忘れちゃいますね、とやっと気づきました。

医学ゴロで最も有名かもしれないあの「嗅いで見る動く車の三の外、顔耳のどに迷う副舌」(脳神経の覚え方)も、低学年の頃はあんなのいらないとイキっていましたが、6年生になって全て忘れてしまっているという悲劇に陥ったので、やはりみんなと同じ勉強をするというのはある意味大事です。

 

ところで、医ンプットはいいサービスですが、ゴロが乱立している感があって、自分の覚えたい知識のゴロを探すのには向いていますが、国試で覚えるべき知識を何となく知りたいという場合には向いていないですね。

じゃあ、ゴロの本ってないのかな?と思い検索して見たら、こちらがヒットしました。

一応メディックメディア社のものですが、少し古いですね。

お安いですし、ゴロ好きの方なら買っても損はないかもしれません。

 

 

【追記】(2023/2/21)

妊娠糖尿病の目標値は食前100、食後120mg/dLみたいです。