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38歳の初妊婦。妊娠24週に急激な腹囲の増大と体重増加を主訴に来院した。体外受精ー肺移植<IVF-ET>で妊娠した。妊娠初期の超音波検査で1絨毛膜2羊膜性双胎と診断されている。超音波検査で両児間の推定体重に差を認めない。第1児の最大羊水深度を計測した超音波像(別冊。10.9cmと書き込まれている)と両児間の隔壁を示す超音波像(別冊。第2児の羊水がほとんどなさそう)とを別に示す。
第1児について正しいのはどれか。2つ選べ。
a 貧血になっている。
b 高血糖になっている。
c 腎血流が増加している。
d 胎児発育不全になりやすい。
e うっ血性心不全になっている。
正直かなり困惑しました。羊水指数と最大羊水深度が一瞬わけわからなくなりましたが、「最大羊水深度は短い方だ」と何とか思い出し、10.9cmは明らかに長すぎると気づきました。
MD双胎、第1児の最大羊水深度が長すぎる、第2児の羊水は多分ほぼなさそう。双胎間輸血症候群です。
第1児が受血児、第2児が供血児ですね。受血児の直腸を2つ選べばいいわけです。
a 胎児水腫と胎児貧血は同義みたいなものじゃなかったかな??胎児水腫は羊水過多だし…〇かな?
b 高血糖??なりそうだけど、ならなさそうだし…いや、児が高血糖になるのは妊娠糖尿病だよね。双胎は関係なさそうだよね、ということで×
c 腎血流?供血児なら胎児貧血だから脳血流増加してそうだけど…と、ここまで考えた時点で、胎児貧血や胎児水腫が供血児の特徴だと気が付き、aを×に変更。血流が豊富になったらそりゃ腎血流も増えるだろう、ということで〇
d 胎児発育不全は供血児なので×
e うっ血性心不全は、cと同じ原理で、血流が増加しているので〇
回答:ce
予想模範解答:ce(正答率70%台後半)
割と正答率高くてびっくりですが、国試的にはこの程度の正答率なら全然誤答になりうるので、そんなものかもしれません。
やっぱりあの緊張下でここまでの正答率とは、今回の受験生は優秀だと思います。