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35歳の初妊婦(1妊0産)。妊婦健康診査のため妊娠11週に来院した。妊娠8週の血液検査で、RPR16倍(基準1倍未満)、TPHA640倍(基準80倍未満)であった。薬剤に対するアレルギー歴はない。
正しいのはどれか。2つ選べ。

a 生物学的偽陽性である。
b 保健所への届出が必要である。
c パートナーの検査が必要である。
d 妊娠14週以降に治療を開始する。
e ミノサイクリンの点滴静注を行う。

 

妊婦の梅毒感染です。RPRとTPHAが陽性になっていることから、生物学的偽陽性は考えづらく、活動性の梅毒でかつ感染初期ではないでしょう。治療はペニシリンです。妊婦に使用できない抗菌薬はテトラサイクリン、ニューキノロン、アミノグリコシドがあり、逆にβラクタム系(ペニシリン・セフェム)は使用できます。

a 生物学的偽陽性ではSTS(RPR)が陽性、TPHAが陰性になります。よって、RPRもTPHAも陽性なので生物学的偽陽性は考えづらい。×

b 梅毒は5類全数で診断後1週間以内に届出義務があります。〇

c パートナーが梅毒に感染している場合、片方のみが治療してもまた移され感染することを繰り返しうるので、必ずパートナーで治療すべきです。〇

d 梅毒はTORCHの1つであり、一刻も早く治療すべきです。ペニシリンは、特に器官形成期が終わるのを待つ必要がある薬ではないので、今すぐ治療開始します。〇

e ミノサイクリンはテトラサイクリン系であり、むしろ禁忌です。×

 

回答:cd

予想模範解答:cd(正答率ほぼ100%)

 

抗菌薬は研修医になってからしっかり勉強することになりますが、多くの研修医の先生方はこの本をお持ちですね。

通常サイズのものは白衣のポケットに入るので、持ち運びに便利です。Grandeはサイズが大きく、今まで小さかった文字もかなり見やすくなってます。