117A27
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84歳の男性。心臓ペースメーカー植込み後の定期受診で来院した。3ヶ月前に気が遠くなるような症状を自覚し、徐脈性心房細動の診断となった。2ヶ月前に恒久的ペースメーカー植込み術を受けた。今回の受診までに症状はなかった。ペースメーカーは下限レート60/分に設定されている。12誘導心電図の胸部誘導(別冊)を別に示す。
この心電図で認める所見はどれか。
a 心室頻拍
b 異常Q波
d 心房ペーシングの波形
e 心室ペーシングの波形
この問題は心電図読み取りが肝なので、実際の画像はQBとか問トレに掲載されてから確認してみて下さい。
不整脈・心電図読み取りにめちゃくちゃ苦手意識があるので、「うわ…どうしよう…」となりましたが、フル集中したら案外そんなに難しい問題ではありませんでした。
まず。dとeでペーシングの話を2回もしている辺り、恐らくペーシングの波形がみられるんだろうな、どちらかが答えなんだろうな、と当たりをつけました。
で、実際に心電図を見てみたら、何か左右で波形違うし。最初の2拍はなんか陰性T波だし、3拍目からいきなりwide QRSでR波がおかしい…なにこれ???とパニックに。我に返ってよく見ると、3拍目以降のQRSの直前に、僅かながらペーシングの波形がみられていました。QRSは心室の電気活動を表しているので、その直前のペーシングということで心室のペーシング波形ですね。
回答:e
予想模範解答:e(正答率80%台半ば)
今見返せばP波とQRS波がそれぞれ独立して現れているようにも見えるので、完全房室ブロックで、波形が一定期間消失したのでペーシングが行われた状態なんでしょうか。答えが分かってから見たら大したことない問題に見えますが、本番でいきなりこんなこと言われたらもうさっぱりですし、心室期外収縮選んじゃう気持ちもわかります。
今のところ、どの問題も比較的正答率が高いので、ここまで全問正解していても別に凄くないだろ、と思うかもしれないですが、実際に国試として受けている最中は、自信がないまま回答している問題が結構あったので、ここまで正解しているなんて自分的にはかなり意外でした。