117A3

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胃全摘術後にみられる可能性があるのはどれか。3つ選べ。

a 胆石

b 肥満

c 貧血

d 耐糖能異常

e 門脈圧亢進

 

巨赤芽球性貧血とダンピング症候群については国試の基本中の基本です。

巨赤芽球性貧血はビタミンB12不足により起こります。胃の壁細胞から分泌される内因子はビタミンB12が回腸末端で吸収されるのに必要不可欠であり、胃全摘により数年から十数年で体内のビタミンB12が枯渇するため、巨赤芽球を発症します。これは国試で結構聞かれるので、丸々覚えておくべき知識でしょう。

ダンピング症候群には早期と後期があり、それぞれメカニズムが異なるので要チェックです。

後期ダンピングとは、食後急速に血糖値が上昇することでインスリン分泌が促進し、結果、食後2~3時間後に低血糖になることです。何分とかはめちゃくちゃあいまいでしたが、とにかくインスリンが出過ぎて低血糖は大事です。

後は、胃全摘の際に神経を損傷することで胆嚢の収縮が障害され、胆石が出来やすくなることは直前講座で勉強しました。

 

回答:acd

予想模範解答:acd(正答率80%台)

 

国試本番では、「肥満も案外あるかも?」「門脈圧亢進も、知らないだけで意外とあるかも?」とか変な思考回路が大いに活性化されてしまうので、自分の覚えたこと・知っていることを第一に検討し、その後で未知の可能性について検討するのがいいかと思います。

(実臨床ではどうなるのか分かりませんが、少なくとも国試は、周囲が解ける問題さえ解ければいいので、まずは自分の知識を信じるのが大切ですね。)