117A35

117A35

67歳の男性。臨床病期ⅠAの原発性肺腺癌の診断で、右肺葉切除術およびリンパ節郭清術を施行した。手術翌日の昼に食事を開始した。昼食2時間後から胸腔ドレーンの排液が急に増加し、夕食後、さらに排液が増え2Lを超えたため、ドレーン排液のバッグを新しく好感した。胸腔ドレーンからの空気漏れは認めなかった。体温36.2℃。心拍数64/分、整。血圧104/60mmHg。呼吸数16/分。SpO2 97%(room air)。同日夜の胸腔ドレーンの排液の写真(白色~やや黄褐色の濁った排液)を別に示す。

対応として適切なのはどれか。

a 胸膜癒着術

b 利尿薬投与

c 中心静脈栄養

d カテコラミン投与

e ガンマグロブリン投与

 

右肺葉切除術による胸管損傷による乳び胸ですね。なんか模試とかでめちゃくちゃ乳び胸が出てたので、「またか」って感じでした。

乳び胸の対応としては、とりあえず絶食・中心静脈栄養により経過観察するそうで、確かそれでも治らなければ手術するんだったと思います。

aの胸膜癒着術は、国試勉強中に何かの疾患で習ったのですが…忘れてました。癌性胸膜炎などの胸膜炎に対して行うことがあるようです。

 

回答:c

予想模範解答:c(正答率90%台前半)

 

ちなみに経口摂取がダメでCVならOKな理由ですが、食事中の脂肪酸は小腸から吸収され、中鎖脂肪酸はそのまま門脈経由で肝臓に向かい、代謝されるのですが、長鎖脂肪酸は小腸上皮細胞内でTGに合成され、カイロミクロンとしてリンパ管を通って胸管に入り、そこから血液循環に入るので、経口摂取だとどうしてもTGが胸管を通ってしまうのです。この話、全部国試的にとても重要です。