117A9
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肝硬変でみられない所見はどれか。
a 手掌紅斑
b 静止時振戦
c 女性化乳房
d くも状血管腫
e 腹壁静脈怒張
これはいろんな理由でbが×です。
a 手掌紅斑、何かそんなのあったような気がするのでとりあえず〇。
b 肝硬変(肝性脳症)でみられるのは「羽ばたき振戦」です。静止時(安静時?)振戦はParkinson病でみられ、他のParkinson症候群との大事な鑑別ポイントになります。ちなみに、安静時振戦がみられなくても嗅覚の低下があればParkinson病を疑うべきだそうです(過去問にも、安静時振戦はないけど嗅覚低下がみられるParkinson病が出題されてた気がします。)
c 女性化乳房は、肝硬変でエストロゲン分解障害が生じ発症するのだとか。
d くも状血管腫といえば肝硬変ですね。詳しい機序は忘れました…
e 腹壁静脈怒張、いわゆるメデューサの頭ですね。なんか低学年の時に習いました。
回答:b
予想模範解答:b(正答率90%台後半)
調べたら、手掌紅斑・くも状血管腫・女性化乳房すべてエストロゲン代謝障害による症状だそうです。他に胃・食道静脈瘤も大事です。肝硬変をみればまず上部消化管内視鏡をします。胃の静脈瘤と食道の静脈瘤で治療がやや違ったり、胃の静脈瘤の血行動態がめちゃややこしかったりと、勉強する所がめちゃくちゃある肝硬変でした。